米沢上杉藩の湯治場であった風情を色濃く残す

秘湯にあるおもてなしの宿

東屋旅館は白布温泉にある温泉旅館。内風呂・露天風呂ともに源泉かけ流しの温泉が楽しめ、山形の地場食材や山の幸をふんだんに使用した郷土会席料理も美味しい。

かつて風情漂う茅葺きの温泉宿だったが、2000年の火災で茅葺きの建物は焼失。その後イメージを残しつつ再建され、現代的なフォルムに変わった。かつての茅葺き屋根は姿を消したが、老舗としての風情やおもてなしは全く変わっていない。

館内の温泉は源泉温度が高いために若干の加水はしているが、湯の華が舞う源泉かけ流し。かつて米沢藩の藩主も入ったことのある内風呂は歴史の風格が漂い、何とも言えない情緒を醸し出す。

そして大岩を削った石風呂は「何時間でもそこにいたい」と感じるまさに芸術品。至福の時間がそこにある。このような風呂にはなかなか出会うことはない。思う存分堪能した。

料理は山形・米沢の地場食材を多く取り入れた郷土会席料理。まさに日本のスローフードと地産地消を満喫できる料理である。大きな旅館やホテルでは仕入れの問題からなかなか実施することが難しいスローフードと地産地消。中小の宿だからこそできる料理の醍醐味を楽しみたい。

宿としてのトータルバランスに優れ、料金も決して高くはない。逆に安く感じてしまうほどである。立地的には秘湯であるが、秘湯の辺鄙さを感じない。おもてなしのクオリティも高く、ぜひ再訪したいおすすめの温泉宿である。

→　源泉かけ流し温泉ガイド | 温泉新選組のページ： 東屋旅館

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