部屋には電気はなし、灯りは仄かなランプのみ

仄かなランプが灯る宿

青荷温泉は黒石温泉郷にある秘湯の温泉宿。ランプの宿として人気が高い。夜になると客室、食堂、浴室、外灯の全てにランプが灯る。幽玄な世界を楽しめるが、部屋には電気のコンセントはないので充電式以外は電化製品は使えない。（厨房には冷蔵ショーケースがあるので一応電気は通っているようだ）

とりあえずテレビもないので、本を読むことしかない。でも読書をするにしてもランプの光量では小さな文字を読むことさえひと苦労。吉幾三の「おら東京さ行ぐだ」の歌詞ではないが、「テレビもねえ、ラジオもねえ」の世界そのもの。でもそのうす暗さが都会では決して経験することのない幽玄の世界を作り出している。

青荷温泉は、ここが「青森の田舎」だということを最大のアピールポイントにしている。したがって従業員の会話はもちろん、料理長まで摩訶不思議な津軽弁で料理の説明をしてくれる楽しいサービス（？）がある。

また温泉宿の原点である浴場も創意工夫がある。次々に新しい浴室を増築し、現在4つある浴場ではそれぞれ雰囲気の違った無色透明の源泉かけ流しの温泉を楽しめる。

それでいて宿泊料金はかなりリーズナブル。「この価格でいいのか？」と感じるほど、良質な温泉と郷土色豊かな料理を楽しめ、ランプの世界をも堪能。楽しく青森の田舎体験ができるのだから驚きである。

アクセスの注意がひとつ。雪がない季節は問題はないが、冬季は宿への山道が通行止めになるので、道の駅「虹の湖」から雪上車での送迎がある。（要予約）

最後に・・・これが一番重要なところ。実は客室の壁はかなり薄い。夜間の会話や物音などはかなり隣室に聞こえる。

ちなみに、私の場合はというと・・・夜中の2時過ぎ、まさに草木も眠る丑三つ刻。隣室カップルのじゃれ合い（荒い呼吸と悩ましい声、そしてパンパン体がぶつかり合う音）がリアルに聞こえ、「気にするな！」ってのは無理でござんしょ！

ランプの明かりはロマンティック。痛いほど気持ちはわかる。わかるけど・・・こりゃ～立派な安眠妨害。やめた方が無難だろう（苦笑）

カップルでも一緒に楽しめる

岩造りの大露天風呂。湯滝から豪快に源泉が注がれている。湯温はぬるめ。長湯できることが嬉しい。混浴なので夜間カップルで入浴する姿も見られる。樽風呂「子宝の湯」も併設している。

また女性のために専用時間が設けられている。混浴となっているものの、女性にも安心して利用できる。

（2015.3 更新）

→　源泉かけ流し温泉ガイド | 温泉新選組のページ： ランプの宿 青荷温泉

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