レトロでノスタルジックな山の秘湯

温泉と流れゆく時間のみ

館内施設は本当にシンプルである。浴場は敷地内に点在、本館には客室・食堂以外は特に施設らしいものはない。電気は自家発電のため、無駄な照明はなく、部屋にある電気系のものは裸電球ひとつだけ。テレビも電気のコンセントもない。

何もないだけに静かに時間だけが流れていく。だんだんと日が暮れ、あたりが暗くなっていく不思議な感覚。当たり前のことなのだが、普段の日常生活では感じることのできなくなった自然の摂理を感じ取ることができる。

夜、ほのかに浮かび上がる湯小屋。耳に聞こえる川のせせらぎ。露天風呂で上を見上げると満天の星空。何もない。ただ湯と流れる時間のみ。

それらは都会では決して味わうことのない異次元の空間。そこで流れるのは「自分を見つめる時間」のみ。

いわば「リセット」するチャンスを与えてくれる宿。簡単にいえばそういうことだろう。都会で疲れたらまた訪れたい・・・（苦笑）

唐子の湯 ［男女入替］

唐子の湯はまるで共同浴場を思わせる内風呂。日中と夜では全く雰囲気が違っている。日中は普通の鄙びた内風呂という感じだが、夜は幽玄の世界に包まれ、薄暗い明かりの中で浮かび上がる湯小屋の雰囲気がより秘湯情緒をかきたてる。

（2015.8 更新）

→　源泉かけ流し温泉ガイド | 温泉新選組のページ： 孫六温泉

データ