鹿の湯
鹿の湯は那須湯本温泉のシンボル的存在の共同浴場。程よく鄙びた外観には抜群の温泉情緒が漂っている。営業を始めた明治から今日に至るまで、多くの利用客で賑わいをみせる。
那須湯本温泉のシンボル
那須の温泉といえば、温泉ツウなら真っ先に「鹿の湯」を思い浮かべるだろう。那須(湯本)温泉は鹿の湯と温泉神社を中心に、旅館や物販・飲食店などが軒を連ね、温泉街を形成する。
ようするに「センター」
鹿の湯なしに那須(湯本)温泉を語ることができない存在なのである。
館内設備は無料の休憩室のほかは、飲料の自動販売機と有料ロッカーや貴重品ボックスがある程度で至ってシンプル。ちなみに浴場にある脱衣カゴにはカギがない。備えあれば憂いなし。貴重品は貴重品ボックスを利用することをおすすめする。
使用している源泉は敷地内にある川岸から湧き出す自然湧出泉。その湯を加水・加温・塩素添加なし、源泉100%かけ流しで湯船や打たせ湯(打たせ湯は湯を一時溜めて温度を下げている)に贅沢に使用している。
定期的に湯守(温泉のお湯の管理をする人)が温度計を持ちやってきて、それぞれの湯船の温度をチェック。表示温度なるように源泉の注湯量を調整している。
近年、脱衣場と浴室の板の張り替えを行い、以前に比べ格段にきれいになった。温泉の歴史、規模、利用状況、情緒、湯質ともに素晴らしく、関東随一と表現できる共同浴場であると太鼓判を押したい。
溶存硫黄成分の変化
前回の最終訪問は2010年冬。今回3年ぶりに鹿の湯を利用する機会に恵まれ、マウントジーンズでのスノーボード帰りで立ち寄った。「お気に入り」と豪語している割にまったくのご無沙汰であったが、ようやく熟成された芳醇な硫黄泉に「ありつけた!」ということになる(苦笑)
何気なく温泉分析表をみて気がついたことがあった。以前と泉質表記が変わっているのだ。以前は「酸性・含硫黄-カルシウム-硫酸塩・塩化物泉(硫化水素型)」であったのが、「単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)」になっている。ガス成分を除く溶存物質の合計が1000mg/kg以下になったことがその原因。
しかし溶存ガス成分をみると、遊離硫化水素の分量は28.8mgから56.3mgへ倍増。つまり、より濃度の濃い硫黄泉になったということ。1kg中に2mgあれば硫黄泉と表記できる基準の28倍もの量の硫黄(硫化水素)が溶けているとはかなり凄い。また違った目で鹿の湯を見ることができるというものだ。
お気に入りの共同浴場
そして時は流れ・・・(大袈裟なっ)、この年の晩秋、再び鹿の湯にやってきた。これで汚名を挽回?返上?することができたというもの。芳醇まろやかに熟成されたにごり湯に抱かれる至福の時間。やはり関東一番。たまりまへんなあ・・・
温泉の湧き出す茶臼岳の下に広がる那須高原は、夏は豊かな自然を満喫し、冬はスキー場でウインタースポーツも楽しめる高原リゾート。そして御用邸もあるロイヤルリゾートでもある。その中で独特の存在感を醸し出す「鹿の湯」はお気に入りの共同浴場である。
→ 源泉かけ流し温泉ガイド | 温泉新選組のページ: 鹿の湯
データ
- 住所:
- 栃木県那須郡那須町湯本181
- 電話番号:
- 0287-76-3098
- ホームページ:
- 鹿の湯
- 営業時間:
- 8:00~18:00 [平日400円 土日祝500円]
- 定休日:
- 無休(施設メンテナンス日を除く)
- 駐車場:
- あり
- 主な泉質:
- 単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)
- 鉱泉分類:
- 低張性酸性高温泉
- 温泉利用:
- 源泉100%かけ流し
- 浴場設備:
- 内風呂
- 塩素消毒:
- 塩素消毒なし
鹿の湯
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